本日は先日行われた試し履き会にて登場した、
ヴォラートプロの紹介です!
ヴォラートプロはヒュンメルから発売された、およそ二年の歳月をかけて作られたサッカースパイク。
26.5㎝で210g、ダブルPORON採用の軽量性とクッショニングを両立させたスパイクです。
有名な選手だと佐藤寿人選手や、なでしこの高瀬選手、仲田選手といった選手が着用しています。
今回のヴォラートは前作セラーテの課題であった軽量性とクッショニングの両立とどのプレーヤーにも履いてもらいたいウィズ展開を克服したサッカースパイク。
Vortex、渦巻く旋風と、Smart、賢さを組み合わせて名付けられたヴォラートは、知的なプレーで試合の流れを変えられる、試合の中心となる選手になってもらいたい、そんな意味も込められています。
『足型』
このヴォラートプロの足幅はやや狭め(D程度)で、指先周り若干低め、甲高さ標準程度というところ。
サイズ感も今回25.0㎝を着用してみましたが、1サイズ上げるか悩むようなぎりぎりのサイズ感になっていました。
(※0014は右実寸24.8、左実寸24.5、きついのは24.8の右足。)
ただ、実際にプレーしてみた感じでは、25.0㎝でもいけたので、ここはかなりシビアなサイズ感になりそうです。
『アッパー前足部』
まず、アッパー前足部にはパッカー社製のハイグレードカンガルーレザーを採用しています。
どちらかというと薄さ、ピタッとくるフィット感が顕著な前足部で、
伸び止めのステッチが多めに入っていることや、アッパー内部にZNフォームと呼ばれる高反発フォームを使用したことで、柔らかさとホールド性が混在した前足部となっています。
また、つま先部分にはつま先回りの剥がれを防ぐプロテクトプリント加工を搭載。
伸び止めステッチ、ZNフォーム、プロテクトプリントと、型崩れ、破損を防ぐような機能ががっつり搭載されているところが、トップモデルとミドルモデルとの一つの違いとなっています。
『アッパー中足部』
アッパー中足部には柔らかなマイクロファイバーを採用。
シューレースはセンターに配置され、パワーホールドシューレース形式のホールド感の良いものを使用しています。
このマイクロファイバーもKSとは違い柔らかさが1つ上のものに。
シュータンも裏地起毛の薄手のもので、軽量性、フィッティングに影響を与えるようなことは少ないものになっています。
『アッパー後足部~内部』
アッパー後足部、かかとにはヒールカップを内蔵。
3層の人工皮革、樹脂素材による外側の補強に、カップ内にもTPU樹脂で補強がされており、かなり頑強なヒールカップに仕上がっています。
そしてかかとのライニングには多めのクッションに滑りにくい起毛素材を採用。
このカップ内にある樹脂補強に、滑りにくい起毛ライニングが相まって、KSモデルとは違いタイトなかかとのホールド感を追求することに成功しています。
そしてミッドソールにはフォアフットタイプの軽量なものを採用。
かかとには衝撃吸収材であるPORONを搭載しています。
また、インソールにもかかと部にPORONを採用し、表面には起毛素材を採用。
軽量性、グリップ性、クッション性を兼ね備えた内部構造となっています。
『アウトソール』
アウトソールには12本の円柱ベーススタッドを採用。
ナイロンをベースにウレタンをスタッドに採用した軽量化設計で、土、人工芝、天然芝に対応しています。
先端部のスタッドには楕円形スタッドをななめに配置し、横への切り込みを入れた形状を採用。
ダッシュ時にしっかりとひっかかる仕様で、ダッシュ時のグリップ力を高めます。
また、その他のスタッドに関しては卍上の切り込みを入れた円柱スタッドを搭載。
グリップ力と旋回性を高めています。
そして中足部にはX字状のリブを搭載。
薄型ソールの欠点である中足部の強度を改善しようとする意図があります。
そして、今回は前回の不良回収もあったこともあり、サンプリング調査を念入りに実施。
時系列的に説明していくと、
1.不良が発覚し、全品回収する。
2.回収した商品を検査、ソール成型時に熱によって樹脂から発生する揮発性物質が原因と判明。
3.ただし、素材メーカーはその熱さでも大丈夫といい、外注先のソールメーカーは指示された温度で射出、成形していると言い張るため、ソールもアッパーと同じ自社で作成することに。
4.成型時に発生する揮発性物質を取り除くために、金型にガス抜き穴を追加。揮発性物質がスタッドの脱落に影響しないように排出する構造で再成形。
5.プロ60足(人工芝、芝)、アマチュア60足(人工芝、土)で秋~冬実際に二か月以上継続して使用してもらう
6.アマチュア分は脱落なし、プロは仲田選手分のみ脱落二回あり。
7.プロで脱落があったことで、さらに金型のスタッド部分をより脱落しにくい構造へ変更。
8.簡易試験(ソールを熱してから無理矢理回転させる)や、アマチュア20足(人工芝、土のみ、7~8月の炎天下)を試し、スタッドの脱落なし。
9.再度大量生産に向けて調整、調整後の製品をアマ&プロ20足(人工芝)、ラグビー部20足(人工芝)で試してもらう
10.スタッド脱落なし。本生産に入り、今回の製品になる。
文章で書くと長くなりますが、要するにサッカーでもラグビーでも結構過酷な環境で試したけど、安全だったよということがわかると思います。
正直、触った感じは完全に多少前から曲がって、その後は中足部の後というよくわからんところで屈曲してしまうものですが、0014が試し履きした感触でも完全にアウト!とは言い切れないものに。
実際、某強豪のR大学のラグビー部の様々なポジションの選手(一番ヤバそうなのは3番、プロップも履いていたということ)に夏場の昼連含めた二部練習でもスタッド折れなし、第五中足骨骨折なしというところは評価しても良いと思います。
『まとめ』
軽さ、クッション性、フィット感を高次元で両立させようとしたヒュンメルのサッカースパイク、ヴォラートプロ。
KSモデルよりもタイトで物持ちが良く、クッショニング機能も引き続き備えたヒュンメル待望の一足となっていました。
アウトソールに関しては、0014自身が一回、しかも短時間しか履けていないため、やや判断材料が少ないというのが正直なところ。
一応簡易レビューはしますが、本番レビューは製品を買って自分で試してから、になりそうです。
ではでは
サッカースパイク ヒュンメル hummel 【ヴォラート PRO】 HAS123… |
コメント
爪先剥がれ防止材で一番のオススメは何ですか?
最近、陸王を見ていて靴作りにかける熱い思いや大変さを感じていましたが、ヒュンメルのスパイク作りへの熱い思いも今回のブログで伝わってきました。正直、ヒュンメルは日本のサッカースパイクシェアとしては後発なメーカーになってしまっていますが、一度試しに足を通してみようという気持ちになりました!個人的にはどんどんこういうメーカーのスパイク作りへの暑い思いを知ったうえで買いたいです!asicsやミズノの日本のメーカーは特に!
長文になりすいません。
かなやんさん
シューズ用瞬間接着剤(ミズノ、アシックス)から乾いてからシューグーですかね。。
ラブさん
ヒュンメルさん、今回は一回不良出したということもあって、かなり頑張って作ってましたね!
是非足入れはしてみてくださいー!
本番レビューはいつ頃になりますか?
アンコが下手!さん
やっぱ本番レビュー要りますかね?
買いますか…笑