ミズノ モレリアネオⅢ レビュー

本日はミズノの最新サッカースパイク、



モレリアネオⅢのレビューです！

久しぶりに生まれ変わったモレリアネオシリーズの最新作。

軽量、柔軟、素足感覚を更に研ぎ澄ました一足。

良いも悪いも、しっかりレビューしていきます！

『足型』

 
 


 


そして足を入れた時のフィット感は前作以上の仕上がり。

指先周りのストレスのなさ、前足部のカンガルー、中足部以降のマイクロファイバー、ニットが非常に柔らかくしなやかにフィット。



馴染みが早い分伸びもあるので、2E程度までは余裕ですぐに馴染むものに。

今回のモレリアネオⅢは履き始めの馴染むスピードに関しては恐ろしく速いと思います。

【フィット感】

★★★★★★★★★★×3

『アッパー前足部 & タッチ＆ドリブル』

まずアッパー前足部にはウォッシャブルカンガルーレザーが採用されています。



今回のレザーは前作以上に柔らかい印象で、薄さと柔らかさを兼ね備えながら、適度なソフトさも兼ね備えているようなタッチ感。

基本的に素足の感触が強く、指のどこに当たったかまでわかる繊細さが特徴的な一足に仕上がっています。



強いボールグリップや、特殊な滑り止め等はありませんが、足と同化する馴染みの速さと薄さ、柔らかさはよりボールと足とを近づけてくれるものに。

これぞモレリア、と呼べるような、第二の皮膚ともいえる薄柔らかく繊細なタッチ感、コントロールしやすい素足感を実現しています。

【ボールタッチ】（サッカー）
★★★★★★★★★★ 





そしてその繊細で薄いタッチ感はドリブル時にもスムーズなタッチを実現。

全体的な軽量性やソールの推進力、素足感もあり、申し分ないように思えます。



一方で、後述しますが、強い切り返しや反転、片足外側接地等の際、ホールド性が足らなくなるのがネックに。

スピードでぶち抜くタイプ、切り返しの多いタイプの選手にとっては、モレリアネオⅡの方が適切かもしれません。

【ドリブル】（サッカー）
★★★★★★★☆☆☆ 

 

『アッパー中足部 & ホールド性』

アッパー中足部にはベアフットレザー、履き口回りにはベアフットニットを採用。

この素材の採用が足入れ時から瞬間的に馴染むような柔らかさと薄さを生み出し、一方で強さを失わせている原因となっています。



この履き口回りから、中足部の強度が落ち、更にミズノロゴでの補強も弱くなったことで、鋭い切り返し等、圧がかかる際に足が外へ流れるものに。

下地の緩い天然芝で、0014の筋力と体重でもなってしまうので、この弱さに関しては正直良くないものに。




ラグビー部にはとてもじゃないですが弱すぎますし、サッカー部に関してもパワフルな選手や、内反捻挫癖のある選手には少し不安なものに。

ヒールで最低限抑え込んではいるのですが、前～中足部外側に圧がかかった場合、ソールのグリップ性が高まったことも相まって、バランスとしてはアンバランスな設計に仕上がってしまっています。
（※なので、ヒールでしっかり止まって方向転換はできます。前～中足部接地時等に主に出ます）




ちなみにこの素材の薄さ、柔らかさからトラップ感、パス感はダイレクトにボールを感じられるものに。


素足でボールを扱うかのような薄さと柔らかさなので、コントロール性は十二分に発揮。

使用者次第な部分もあるでしょうが、個人的にはこの強さが失われている部分がかなりひっかかる印象でした。

【ホールド性】（ラグビー）
★★★★☆☆☆☆☆☆

『アッパー後足部～内部 & キック』

アッパー後足部、踵にはヒールカウンターを搭載。

前作同様、強度と適度な柔軟性を部位別で兼ね備えたヒールとなっています。



このカウンターパーツ部に関しては強度がしっかりとありますが、全体的な感触としては前作よりもソフトに感じられるものに。

特に履き口回り～ヒール後上端等、ベアフットニットやベアフットレザーによって柔らかくなった部分は足当たりが向上し、より柔らかなものに。

前作のような柔らかさの中にも強さのあった感触は薄れ、フワッと柔らかな印象が先行するヒールに仕上がっています。
（※ちなみにヒール部クッション等基本的には前作に近いですが、微妙に違うので注意。）



そして蹴り心地に関しても気持ちのいいシンプルでダイレクトな蹴り心地が好感触。

内への倒れこみは外流れ程ではなく、ブレも大きくはなく心地の良い蹴り心地。



シュータンも薄く、足と一体化するフィットがよりコントロール性も高めるものに。

素足感の強い蹴り心地ですが、痛さや辛さはなく、スキルの範囲内で思ったように、快適に蹴ることが可能となっています。




また、ソール自体のグリップ性も高く、ガチっと地面をとらえる強さは良いものに。

ラグビーボールに関しても同様で、パント、スクリュー、グラバー等蹴り分ける事も容易なものとなっています。

【キック】

★★★★★★★★★☆

『アウトソール & ダッシュ、ステップ、パワー』

アウトソールには今回新型の円柱スタッドベースソールを搭載。

このソールに関しては、機能面に関しては前作よりもバージョンアップしている印象。





前作もでしたが、今作もスタッドの刺さりがかなり良く、抜け感も十分。

ソール自体は左右へのロスが少なく、前方向への推進力が高まっている感触を受けます。

この安定性を高めつつ、前への推進力を高めた設計は非常に素晴らしいです。





鋭い切り返しやターンに関しても、スタッドの刺さり感や軽量感からソール自体は動き易く、よりクイックな印象。



ただ、時折アッパーがついてこないので、アジリティを十二分には発揮できず、少し勿体ない印象を受けます。
（※既成インソール×通常ソックスの場合。グリップ付きなら多少抑えれます、ただ強い負荷の場合は厳しかったです）


基本的に動きを阻害する感触は当然なく、前への推進力、グリップもあるのでソール単体は素晴らしく、デイリーユースというよりパフォーマンス寄りの良い仕上がりに。

薄くダイレクトな接地感は突き上げに繋がることもありますが、この薄さはモレリアネオらしい特徴。



そして、基本的にはアッパーもソールもスペック高く、動き易く、スピード感あるダッシュ、ステップが可能。

ただ、ラグビー的なパワフルな踏ん張りには耐えられない、すぐに耐えきれなくなるので、注意が必要です。

【スピード】

★★★★★★★★★☆

【アジリティ】

★★★★★★★★☆☆
【パワー】（ラグビー）
★★★★★☆☆☆☆☆ 

『まとめ』

ミズノの最新サッカースパイク、モレリアネオⅢ。

モレリアらしい、非常に高いスペックを体感することができました！



一方で、今回はモレリアらしくない、アッパーとソールのアンバランスさも若干見受けられた一足に。

今までのモレリアネオⅡと思って、スピードやアジリティ、耐久性に期待すると、人によっては肩透かしを食らうかもしれません。

特に人工芝等、引っ掛かりの強いグランドでの使用は、注意が必要になりそうです。



ただ、基本的にアッパー、ソールともに最高峰のレベル感であることは間違いないですし、そこいらの商品よりかは断然スペックは高いです。

他のマイナーメーカーがこのスパイクを出したのであれば、もっと褒めたレビューになっていると思います。

ただ、そこはミズノ、モレリアシリーズなので、完成されたバランスで今回も出てほしかったというのが個人的な感想です。
（※期待値が高すぎたという感じです）



ただ、モレリアネオⅡもモレリアネオⅢも、細かい部分でサイズ感であったりフィット感であったりが異なるので、まずは足に合う方を優先して選びたいところですね♪
（※後は機会があれば、ホールド性を高められる簡単な方法を模索してみます。一応案はあります）

ラグビー総合評価

65/80

サッカー総合評価
73/80
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