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アメリカンフットボールでのスパイクの選び方

スパイク基礎知識 履き方&選び方
INGLEWOOD, CALIFORNIA - FEBRUARY 13: Cooper Kupp #10 of the Los Angles Rams against the Cincinnati Bengals during the Super Bowl at SoFi Stadium on February 13, 2022 in Inglewood, California. (Photo by Andy Lyons/Getty Images)

本日はアメリカンフットボール競技、アメフトのスパイクの選び方をまとめておきます。

聞かれることが多くなってきているのと、情報を整理しておきたい狙いがあり、まとめました。

基本原則に関してはサッカー、ラグビーと同じですが

ただ、アメフト特有のいくつか考慮すべきポイントもあるので、そこを中心にまとめておきます。

考慮ポイント1 競技特性

まず考慮すべきポイントの一つ目ですが

サッカーやラグビー以上に競技特性、ポジションによる特性がはっきりと分かれるという所でしょう。

人数によっては攻守兼任したりする場合もあるようですが

まず基本はポジション、攻守で分かれているのが競技の特徴と言えます。



例えばこちらのサイトにあるように、オフェンスだけでもこれだけのポジションがあり

もちろんディフェンスにも同じようにポジションがあります。

サッカーでもラグビーでもポジション別で適したスパイクがある程度変わります

しかし、アメリカンフットボールはそれぞれの役割がより際立っているため、選ぶ際の重要度(優先度)は更に高まると思われます。

 

加えて、1プレー1プレーで一度ゲームが止まるのも特徴と言えます。

そのため、そういう意味でもポジション別で考慮する重要度がアメリカンフットボールでは高いと言えます。

加えて、サッカーのような動き、長い距離を中程度のスピードで走るというような動きが少なくなるというのも考慮すべきポイントになるかと思います。

身体的負荷はさておき、ガッと進んでギュンと止まる、みたいなスパイクの方が競技特性としては良いと思われます。

 

考慮ポイント2 環境特性

そして考慮すべきポイントの2つ目は、プレーするグラウンドが主に人工芝であることです。

もちろんサッカーやラグビーでも人工芝でプレーする事は大いにありますが

ただ、アメリカンフットボールではより多い印象です。

 
人工芝グラウンドにも様々なタイプのものがあり、一概に人工芝と括ることは難しいですが。

傾向としては天然芝や土よりも引っ掛かりやすいことが多いです。

そのため、その分人工芝グラウンドに合わせたグリップのものを選ぶ必要性が高いと思われます。

 

考慮ポイント3 用具特性

考慮すべき最後、3つ目のポイントは、身につける用具の特性です。

アメリカンフットボールでは頭部、肩を中心に防具が装着され、概ね10kg程度の重量があるとの事。

身体の上方に約10kgの重りが乗る訳なので、足部にかかる負荷はより大きくなりやすいと思われます。


その為、スパイクとしてはソールの剛性をやや高く見積もる必要性があり

加えてより左右への動きにも安定性を発揮しやすいことが求められると思われます。

ただ、ソール剛性を高く設計するとグリップ性の担保がより必要となり

一方で、それは人工芝に適したスパイク選びとは相反していく要素になるため

基本的に身体的負荷がかかりやすいスポーツだと感じます。

特に靭帯を保護できるサポーター、テーピング類はほぼ必須になる可能性が高い印象です。

 

スパイクに求められる機能性


gettyimages

以上のことから、アメリカンフットボールで使用するスパイクに求められる機能としては、
・人工芝グラウンドで使用可能な、引っかかりすぎないソール
・体重+防具に耐えられるソール剛性
・頭部に重みが嵩むことによるふらつきを抑える、安定性のあるソールやハイカット形状
これらはスパイクを選ぶ際に必要になる要素かと思われます。

加えてポジションによる傾向が大きく出るため、ポジションによって重要度を変えていく必要性が高いです

ただ、これらの機能はアメリカンフットボールシューズでは概ね要素を満たしている製品が多いようにも感じます。

具体的な考察も下記に記しておきます。

QB(クォーターバック)

基本は『投げる』動作が主で、加えて走ることもというポジションであるため

まずサッカースパイクでも問題のないポジションといえそうです。

また、より走る、突破する事も重視するのであれば、ソール剛性、安定性は確実に必要です。

とはいえ、引っかかりすぎないソールパターンで問題ないと思われます。

このポジションはどの動作を重視するかで、選ぶべきスパイクが変わってきそうです。

 

HB、FB(ハーフバック&フルバック)

基本は『走る』、しかも前進するポジションであるため、先のソール剛性、安定性は確実に必要

一方で、止まる動作は多くないと思われるため

全体的にスタッドが前側についている方が効果的と言えそうです。

 

WR(ワイドレシーバー)

こちらは『走る』そしてボールを『受ける』ポジションで、走ることも反転することも多い模様。

であれば、ソール剛性は確実に必要ですが

加えて反転しやすいように、円柱スタッドのものから選ぶ方が良いと思われます。

また、こちらは前進以外の動きも多々あるため、バランスよく全方向にスピーディーに進むことの出来るスパイクが望ましいと思われます。

 

OL(オフェンシブライン)&DL(ディフェンシブライン)

前線で身体を張る両ポジション(アタックとディフェンス)であるため、最もソール剛性、安定性、そしてグリップ性も必要になると思われます。

ラグビーのPR、HOに通ずるような特性で、練習用のスパイクと試合用のスパイクを変えた方が良い可能性も考えられます。

どうしてもグリップ強、ソール剛性強なアメフトスパイクになると思われるため、ハイカット形状はほぼ必須になる気がします。

 

CB(コーナーバック)

主にWRを止める、パスを通させないポジションで、バックステップも多様する事になる模様。

こちらはHB、FBとは逆に、かかとのスタッドが後ろの方にまでついているもの

加えて、円柱スタッドベースであるものが望ましいと思われます。

 

S(セイフティ)

ディフェンス側の最後の砦となるセイフティは、ラグビーのフルバック的ポジション。

ここも考え得る限り様々な動きが発生しやすいと思われるため、QB同様にどの動作を重視するかで話が変わってくる気がします。

 

K(キッカー)

キックでの得点、陣地獲得のみで登場するスペシャルポジション。

キック動作が主となるため、ソール剛性、安定性はもちろん

更にスタッド間が幅広く、後ろ目についている方が好ましいと思われます。

また、キックが主であるため、アッパー側の蹴り心地の面も考慮しておきたいポイントです。

動作が一定であること、接触がほぼ無い事から、ある程度リスクをとったサッカースパイクというのも選択肢に入ってきそうです。

 

まとめ

・競技の特性(ポジション)を加味した選び方
・競技のフィールド(グラウンド)を加味した選び方
・競技で使う用具(防具)を加味した選び方
この辺りが変わってくるので、気をつけないといけないなという事を改めて認識しました。

また、調べていて感じるのは、アメリカ本国でも商品数が多くは無く、ナイキでも3シリーズ、アディダス1シリーズ、アンダーアーマー2シリーズ位なので、そもそも選択肢が少ない事。

そこに加えて、日本ではまともにメーカーが展開しておらず、小売店でもサイズがなかなか揃っていない現状が見えます。

女子サッカーのスパイクや、ラグビースパイクが少ないのと同様に、アメリカンフットボールシューズもかなり少ない印象なので、商品の拡充、手に取りやすい流通を今後考えないといけなさそうです。

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