先月の記事ですが、アディダスがカンガルーレザーを調達することを中止。
また、アシックスも続いてカンガルーレザーの使用を中止、ミズノも段階的に廃止することを決めました。
この流れはナイキ、プーマが先んじて行っており、ニューバランスも続いているようですが
個人的に疑問を感じる部分もあるので、今回記事にしておきます。
カンガルーレザー廃止におけるスパイクへの影響
まずカンガルーレザーを使わないことによる、スパイクへの影響ですが。個人的にはまず問題ないのではないか、と思います。
機能面において、レザーを使う必要性が薄まっているからです。


そうでなくとも、レザーの良さは良さであるものの、人工皮革の良さも全面に出ています。
つまり、レザー特有の柔らかい、馴染むというメリットも昨今では弱いので問題ないかと…
また、カンガルーレザーなどの野生動物のものは特にですが。
個体差が大きかったりするので、品質にばらつきが出やすいと思われます。
この辺はタンナーさん辺りが選別したりはするでしょうが、それでも人工皮革よりばらつきは出るでしょう。
むしろ品質が一定になるという点で、レザー廃止は好ましいのでは?とさえ思います。
カンガルーレザー廃止による環境と経済への影響
この辺以降、全然専門ではない&ちょっと口が悪くなるのであしからず…笑このレザー廃止によって環境面、経済面の影響を素人ながらに考えてみると、環境と経済へ影響が大きいと考えられます。
というのも、皮革の利用量が減る=革だけ捨てるか、駆除する数を減らす必要があると思うので。
この駆除する数を減らすことが、果たして本当に良いのかが争点になるかと思います。
争点、というのも各メーカーは明言していませんが、動物愛護団体による圧力による影響の可能性があるからです。
個人的にこの動物愛護団体が言うてること滅茶苦茶やな、と思うので記事にしました…笑
大前提として、どうやったってヒトのエゴでしかない
あくまで個人的に、という前置きをつけておきますが笑動物愛護団体側のだいたいの論調が、
みたいな論調が多いです。
確かに動物を無意味になぶり殺すような真似は、その人の精神性をちょっと疑いますし。
※だいたいその場合は本人だけが悪いというより、人格形成が上手くいかなかったり、病など多様な理由があるんだろうなという話ですが…
どうせ駆除するならせめて一瞬で終わらせる、というのも大事です。
一方で、死にたい動物、植物は、声は聞いたことないですけど、たぶんほぼいないと思いますし。
また、かわいそうじゃなかったら駆除していいのか
賢くなかったら駆除していいのかという疑問点が残ります。
例えば蚊は伝染病を媒介するため、ヒトとしては駆除したほうが良い※ですが、それはいいのかとか。
※生態系への問題はあると思いますけど…
マウスは医療の発展に多大な貢献をしていますが、それも動物虐待でダメなのか。
※じゃあ医療受けないでね、という話でもあります笑
牛や豚、馬や鳥といった家畜、魚は食肉として流通してますが、カンガルーとどう差があるのか。
※僕はほんと無理なんで、生産者さんや、お肉に加工してくれている方はほんと凄いと思います
もっというなら、例えばヴィーガンになろうという論調もありますけど、植物だって生きてるの知らないんですか?とか。
※環境負荷の面でいうならマシですが、それでも今度はヒトの健康面の問題が出やすいですね
どう考えてもヒトが地球上で繁栄していて、ヒトが中心の話※で物事が回ってる中で
※ヒトにとって住みやすい環境、ヒトにとって優先された食事などなど
特定の哺乳類だけ害悪関係なく保護しましょう、はちょっとおかしいと思うんですよね。
もういっそのこと、ヒトが一番環境に悪いのでみんなお陀仏しましょう、くらい言ってくれてたら一貫性はあるのになと思います笑
環境面について
例えば2019年のナショナルジオグラフィック日本版だと、5000万頭と推定されるカンガルーのせいで作物が荒らされ、家畜の水や牧草が奪われてしまうと、農場経営者は訴える。
また、保険業界の統計によると、年間2万件を超える自動車と動物の接触事故のうち8割がカンガルーによるものだという。
ナショナルジオグラフィックより引用
カンガルーが増えすぎて農場側が困っていたり、事故が多発するきっかけになっている模様。
完全にヒト優先の考え方ですが、日本の鹿や熊と同じで、困るなら必要に応じて駆除が妥当かと思います。
そして、その駆除した動物はありがたく利用させてもらう、という方がまだ報われる…気がします。
また、これらの駆除はニューサウスウェールズ州であれば、カンガルー捕獲は許可制。
かつ上限も設けており、いたって普通の事のように思えます。
大前提としてヒトが環境の全部を変えたりできる訳もないとは思うのですが、それでもヒトと動物が無理に対立するような構図にする必要も無く。
出来る範囲で駆除し、絶滅させず、でもヒトの経済も回すというのがバランスをとっているかと。
一方で、一部ではこの上限設定がそもそもおかしい、元の総数がおかしいという論調や。
駆除時にどれだけ苦痛を与えたか判断ができないのはおかしいという論調があります。
この辺も改善すべき点ではあると思いますが、前提が前提なので言いがかりのようにしか…
経済面について
経済面については、オーストラリア政府としては現状増えすぎているカンガルーは駆除の対象であり。一方で、駆除数自体は上限より低く推移
革と肉が消費されないと駆除も進まないような印象は受けます。
A bill was introduced in the US House in 2021 to ban kangaroo imports but it failed to pass. This year, similar bills were introduced in Arizona, Connecticut, New Jersey, Oregon – where Nike is based – and Vermont, but so far, none have become law. Protesters have also lodged petitions with the European Parliament, so far with little impact.The campaign against kangaroo products has caused frustration for many in Australia, not only within the government, but also among wildlife experts who say licensed culling is necessary to maintain sustainable numbers and to prevent the animals’ own suffering when they compete with livestock – and each other – for scarce food and water.“The subtleties of this, I think, are probably lost from a distance,” said Jim Radford, a landscape ecologist and conservation biologist from the Research Centre for Future Landscapes at La Trobe University in Melbourne.“If there isn’t an industry for kangaroo leather and kangaroo meat, kangaroos are still going to be shot, I promise you. Landholders are still going to shoot kangaroos and it’s going to be a worse animal welfare outcome than if it was done in a regulated, controlled manner.”
2021年、カンガルーの輸入を禁止する法案が米国下院に提出されましたが、可決されませんでした。今年は、アリゾナ州、コネチカット州、ニュージャージー州、ナイキの本社があるオレゴン州、そしてバーモント州でも同様の法案が提出されましたが、今のところいずれも成立していません。抗議者たちは欧州議会にも請願書を提出しましたが、今のところ効果はほとんどありません。
カンガルー製品に対するキャンペーンは、オーストラリア政府内だけでなく、持続可能な数のカンガルーを維持し、乏しい食糧や水をめぐって家畜やカンガルー同士が競争する際にカンガルー自身が苦しむのを防ぐために、認可を受けた駆除が必要だと主張する野生生物の専門家の間でも、多くの人々に不満を抱かせている。
「この微妙な点は、おそらく遠くから見ると分からないと思います」と、メルボルンのラ・トローブ大学未来景観研究センターの景観生態学者で保全生物学者のジム・ラドフォード氏は言う。
「カンガルーの革と肉の産業がなければ、カンガルーは依然として射殺され続けるでしょう。土地所有者は依然としてカンガルーを射殺し続けるでしょう。そして、それは規制され、管理された方法で行われる場合よりも、動物福祉にとってより悪い結果をもたらすでしょう。」
CNNより引用
この辺りは想定の話ではありますが、革や肉が消費されなければ、農場主は害獣としてただ駆除だけになるという話が出ています。
個人的には当の動物には関係ないですが
少しでも利用してあげることこそが、報われる気もします。
ここは完全に感情論ですが…
また、利用して付加価値をつけることで、人が働く場所もできますし。
経済的には革や肉を利用する方が好ましいと思います。
レザースパイクは減らしていいが、無くす必要は今は無い
ここでようやくスパイクの話に戻るのですが笑
・経済的にカンガルーを捨てるより利用したほうが好ましい
なら、レザーのスパイクを減らす必要は無いかと思います。
もちろん、カンガルーが生態系のバランスを崩すほど駆除してしまうのは避けるべきですし
動物愛護的に、せめて一瞬で終わらせるというのも大事でしょう。
一方で、スポーツメーカーに文句を言うのは正直、特定の動物優先でヒトが優先されてない気はします。
やるならヒト含め、全ての動植物を等しく優先してほしいところです。
マジで2回書くくらい思う所があるのですが、これらの人々は特定の動物に肩入れしすぎてるのでは?と思います。
僕は釣りで釣ったアジとかですら、かわいそうでごめんねと思う方。
※なのでもうしばらく釣りはしてません
なんなら、道端のたんぽぽも、たんぽぽさん踏んじゃってごめん、と思うくらいです。
なので余計、特定の動物だけ大事にしましょうは、おかしい気がするんですよね…
特に影響がありそうなのはミズノ
特にミズノはモレリアシリーズ、レザーモデルが豊富なので影響が大きいと思います。例えば日本の団体だと、
ミズノとアシックス
カンガルー革の使用をやめる気なし
LAVの国際キャンペーンでは、カンガルー革や肉を使用している企業への働きかけも行っています。ミズノとアシックスについてJAVA独自の調査をしたところ、スポーツシューズ等にカンガルー革を使用していることが判明したことから、2019年12月、JAVAはこの二社に「Harvest」の実態を伝え、以下の2点を強く要請する文書を送りました。
1.カンガルー革の使用を廃止すること。
2.合成皮革等、動物を犠牲にしない素材へ転換すること。
この要望書に対する二社からの回答が到底納得できるものではなかったことから、公開質問状を送り、疑問点を指摘しました。しかし、ミズノとアシックスの見解は次の通りで、問題意識がまったく感じられません。
ミズノからの回答
●レザーワーキンググループ(LWG)と豪州カンガルー産業協会(KIAA)に加盟している豪州の企業からカンガルー革を調達している。
●上記の調達先企業は豪州政府の定めた規範を遵守していると認識しており、その使用に問題があるとは考えていない。
●ミズノは法令を守った方法でカンガルー革を調達している。
●ミズノは「動物由来材料の調達ガイドライン」を定めていて、皮革に関する箇所は以下のとおり。カンガルー革の使用はこれに抵触しない。
・畜産副産物である原皮を使用する。(牛、豚、羊、馬、やぎ)
・駆除された害獣の原皮を使用する。(鹿、カンガルー)
・絶滅危惧種やエキゾチックレザーは使用しない。(ヘビ、ワニ、オーストリッチなど)
●ミズノが「害獣」として駆除されていると認識しているカンガルーの狩猟方法なので、残酷であるか否か、倫理的であるか否かは判断できない。
こちらより引用
こんな感じで記載してるんですが…
確かに倫理的かどうかはわからんけど、やることはやってるように見えます。
少なくとも、革とるためにじゃなく、駆除した分を利用してますは問題にならないでしょう。
人工皮革のモレリアになっても、問題は無いと思います。
でも、ミズノの肩を持つ訳ではないですが、モレリア=カンガルーレザーはある種文化だと思うので。
とりあえずモナルシーダ辺りを人工皮革に変える、とかで良い気はします。
また、関連する所でいうと、足幅ワイドで伸ばさないと足が入らないというプレーヤー。
そうした方々にとっても、レザー廃止は残念かと思います。
この辺も現状のラインナップのままだと、カンガルー優先、ヒトの足の健康はおざなりな感じはしますね…。
※追記 牛の革が使えるなら、カーフレザーで各モデル継続とかはあるかもですね…笑
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