人工芝で滑る問題について考える

スパイク基礎知識 履き方&選び方

先日縁もあり、アメリカンフットボールの試合、オービックと福岡sunsとの試合を観戦してきました。

そこで一緒に観戦されていた方々に


『今日、いつもより足を滑らす選手が多くない?』

という反応があったので、今回は

劣化した人工芝だと選手は何故滑るのか

について考えていこうと思います。
※勿論対策もあるよ
※今回の例はアメフトですが、考え方はサッカー、ラグビーでもうまく応用してください👍


アメリカンフットボールのスパイクの選び方についてはこちら

人工芝の構造と、グリップ性について

何故人工芝で滑るのか、という点においてまずは人工芝の構造を理解しておく必要があります。


アイリスオーヤマより引用

実は人工芝にも様々なタイプがあるため、一概にこうとは言えませんが…
石を敷いて、コンクリを乗せて、基布×ゴムチップ×芝という構成は大体同じです。

スパイクが噛む所はこの上層となっており、


人工芝に引っ掛かりつつ、ゴムチップや珪砂(無いのもある?)にまで刺さることで、スパイクはグラウンド面とグリップするようになっています。

劣化した人工芝はどうなっているのか

今回のケースだと、恐らく芝が摩耗して擦り切れている、数が少なくなっていると思われます。
※ちなみにこのグラウンド、元々改修予定ではあるそうです

他にも劣化の指標は色々ありますが、今回においては恐らく摩耗かと思われます。


芝が擦り切れ、長さも密度も引っ掛かりも無くなることで、かなり滑りやすくなっているのが今回のケースだと想定されます。

極端に言うなら基布の上にゴムチップだけ、という状態を想像してもらえれば、滑りやすいのがわかるかと思います。
※実際にはそういうことは無いです。芝の根部分はあると思います。

今回のケースにおける課題点

芝が擦り切れ、数も少なくなり、ゴムチップだらけとなっている今回の人工芝。

最も難しい所は、ムラがあるところになります。


仮にこのゴムチップだらけの状態が、全面均一であればまだ問題ないと言えます。

この状態に合わせたスパイクを選べばいいですし、そうでなくとも感覚的に『今日は滑るから気をつけよう』となるはずです。

難しいのはムラがあることで適したスパイクが選びにくいこと、そして滑る所と滑らない所が出てくることで感覚的にもズレが起こることと言えます。
※上記画像でも黄色い所は剥げており、他はまだマシなように思えます


スパイクであれば、綺麗な芝生の所を中心にスパイクを考えるのか、ゴムチップだらけの所を中心にスパイクを考えるのかで、適した意匠が変わってきます。

ムラがあることでどちらかにしか合わせる事が出来ず、スパイク選びは更に難しい状況に陥ります。


感覚的な所も、芝生の剥げていない所の感覚を持っている選手が多いが為に、恐らくゴムチップだらけの剥げている所でスリップしているのだと思われます。

こちらも対策はありますが、その場ですぐに出来るものではなく、難しいと言えます。

これに加えて競技特性、ポジション特性もあり、場合によっては非常に難しくなります。

このムラがあるところ、加えて滑りやすい所に対する対策を下記に記載します。

滑らないようにする対策について

対策はいくつかあるのですが、正直スパイクでどうこうする所はアメフトだと少ないです。

今回はスパイクでどうこうする対策と、身体の方のポイントも記載しておきます。

スパイク対策1 可変型スタッドのものを選ぶ

スパイクについて共通して対策できる所は、底面積狭め、側面積徐々に広くなるものを選べるとマシかと思います。

つまり、


土台部分は広くなっており、強く踏み込むと側面積が増え、引っ掛かりが増加するもの。
底面部分は狭めで円柱となっており、浅く刺されば程よく抜けやすいもの。

が望ましいかと思います。
これはグラウンドのムラという部分で効く対策です。


芝生の綺麗な所では芝の密度が高いため、浅く刺さりやすくなります。

引っ掛かりすぎず、抜けやすい、程よいグリップで、過度に筋腱への負荷をかけにくいと言えるでしょう。


一方で剝げた所、ゴムチップだらけの所では芝の密度が低いことで、下地に深く刺さります。

つまり、広くなった側面積が活用しやすくなり、強い引っ掛かりを生みやすくしてくれます。
※対応できる限界は正直ありますが…

この刺さり具合によってグリップが可変するようなスタッドのものを選べると、滑るような事が少なくなるかなと思います。

スパイク対策2 屈曲性を高める

もう一つの対策は、ソールの屈曲性を高める、素足のようなソールのスパイクを選ぶという事です。

ちなみにアメフトでは10kg程度の防具があること、体重的な面含め、この方法は使えません。


恐らく使えるのは軽いラグビー選手(SHとか)か、軽めなサッカー選手に限ります。

前足部の屈曲性を高めることでスタッドが長く地面に食い込むようにし、ゴムチップだらけの所も滑りにくくすることが可能です。


ただし、綺麗な芝の所では抜けにくくなるので、筋腱への負荷が高まる可能性があります。

また、ストップ動作には使えない事が多いため、先の方法よりは優先度としては低いでしょう。

身体対策1 カットは足裏全面で踏む


サイドステップ、カッティング、キック含むストップ動作にて、なるべく足裏全面で早めに接地した方が滑りにくいかと思われます。

カット時、蹴り出すタイミングは仕方ないと思いますが、ストップ時には比較的やりやすいかと思います。


どういうことかというと、スパイクの裏にはスタッドがかかと側、つま先側、外側、内側とついており、なるべく全部を使って引っ掛けた方がグリップを増しやすいです。

つまり、点で止まろうとするのではなく、面で捉えることでグリップ性を増すという考え方です。

これでも滑るときは滑りますが、点で捉えるよりは滑りにくいはずです。

身体対策2 ダッシュは地面を捉えて押す

カット時やダッシュ時の蹴り出すタイミングでも、地面を掻かず、捉えて押すことで滑りにくくなるかと思われます。

極端に言うと、


地面を掻くように蹴り上げてしまうとグラウンドとの摩擦が必要ですが、捉えて押すようにすれば地面反力として活かせます。

これでも勿論滑るときは滑りますが、掻いて蹴り上げるよりは滑りにくいかと思われます。

難しいという方は、西園先生の魔女トレからまずやってみましょう。

身体対策3 下肢だけで踏ん張らない


最後のポイントは下肢だけで踏ん張らないという事。

アメフトはその防具の特性や、河口さんのクアトロコア指導も取り入れている選手も多い?ことから、高いレベルの選手ならそこまで気にしなくとも良いのかもしれません。


非常に簡潔にいうと、滑らないように上半身もうまく使ってバランスを取った方が良いという事。

上肢との連動性を持ちつつ、高重心での動きになれば、スリップしにくい上、踏ん張らず滑るように滑らかに動けるかと思います。

この辺りはGETTAも得意としている所の一つです。

まとめ

・劣化した人工芝は滑りやすい
・スパイクでの対策も一応できる
・身体の使い方も大きく関わる
劣化した人工芝は滑りやすいことがありますが、今回は実際に感じたケースを例にとって記載してみました。

定期的なメンテナンス、張替えが本来必要なものではありますが、費用的にほいほいと出来るものではない人工芝の改修。

環境が決まっているのであれば、うまく対応していくしかないので、上記のような対策を例に色々考えて頂ければと思います。

個別でのスパイク相談はNOTEマガジン内、LINEにてお願い致します

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