先日あったプレスリリースを発端に、自分なりに考えてみました。
数日前に早稲田大学とアシックスの組織的連携に関する協定が更新。
主な相乗効果としては、
「研究開発における連携」「人材交流」「社会貢献活動」を3つの柱とし、主要体育各部(野球、競走、ラグビー蹴球、ア式蹴球、庭球)へのサポート、より良い製品を提供するための共同開発、ライセンスグッズの収益の一部を活用したスポーツイベントの開催等
との記載があり、色々とお互いに良い相乗効果を生み出せていた模様。
色々、というのは僕自身が「人材交流」とか「社会貢献活動」とかは専門ではなく、この辺りの効果についてはよく知らないので一旦流します。
問題、課題として個人的に気になったのは、選手としては益のある内容なのか、という所です。
今回僕として気になったのはココなので、ココを掘り下げていきます。
現状今回の早稲田×アシックスでもそうですし、わかりやすいのはJリーグのアカデミー、育成組織(下部組織)でも想像しやすいと思うのですが、
シューズやウェアが提供される代わりに、選手が選べるシューズが制限される
事があります。
ウェアだけ手掛けているメーカーであればそうでもないのですが、多くのメーカーが制限をかけているかのように、
引用元
例えば浦和レッズやサンフレッチェ広島ならナイキ、ガンバ大阪ならアンブロ、FC東京ならニューバランス等、ユースの選手全員に義務付けられているかの如く、契約しているメーカーのスパイクを履いている事があります。
引用元
勿論例外はあって、サガン鳥栖のユース×ニューバランス等、スパイクも展開しているのにも関わらず、選手の希望を優先している?場合もあります。
(※契約の中身次第なのかなと思ったり…)
但し、前述したように義務付けられているかのように全員が同じメーカーのスパイクを履いている事も度々見かける光景です。
この制限が、選手の怪我の発生やパフォーマンスの低下の一因となりうる、選手にとってデメリットとなる課題なのではないかと今回考えました。
引用元
サッカーやラグビー、他シューズを履く競技を継続したことのある方だと経験があると思いますが
どのメーカーのシューズも足にピッタリフィットして快適だ、という事は無かったはずです。
また、シューズを販売する方、シューズを作られる方、シューズに携わる方であれば、サッカーなら11人、ラグビーなら15人、全員同じメーカーのシューズがフィットするなんてことはまずありえないという事はよく理解しているはずです。
そしてフィットしていないシューズを履く事による弊害は…書ききれない位様々あることは想像に難くないと思います。
(※簡単な所だと靴擦れとか)
引用元
この全員同じシューズがフィットする事はなかなかあり得ない、という前提が間違っていなければ。
メーカーが契約先のチームの選手全員に自社のシューズを履かせることは、
・「選手の健康、パフォーマンスよりも、見た目の印象やメーカーのプロモーションを大事にしています」
もしくは、
・「シューズはそんなに大事ではないので、全員自社のシューズでも大丈夫です」
とも見ること、受け取ることが出来ると思います。
唯一例外となるのは「全員分要望を聞いてオーダーメイドにしています」というパターンですが、それもソール部等に限界があるので、実質不可能です。
(※というかプロですら既製品履いているのに、学生でこの待遇はほぼないと考えて良いと思います)
一方で、どこのシューズメーカーも
「ウチのシューズを履いて怪我してほしい」
「とにかくウチのシューズが売れればいい」
とは考えていないはずで、
「選手が怪我しないような良いシューズを提供したい」
「選手のパフォーマンスが上がった上で、利益を今後の開発資金等に回したい」
と考えてくれていると想定すれば、このメーカーがチーム全員に自社のシューズを履く事を半ば強制しているかのように見える状態は、メーカーにとっても選手にとっても好ましくないのではないか、と考えました。
その為、チーム(学校等含む団体)はメーカーとなんらかの契約をする場合、
・選手に契約メーカーのシューズを着用させるような義務項目は盛り込まない
のがまず大事で、その上で重要になるのは、
選手だけを優先して、なんでも自由に履けるようにするのではなく
選手1人1人にシューズの重要性を説明、理解してもらったうえで、
・ありがたく提供して頂いて、自チームメーカーのシューズを履く事を選ぶのか
・自身で納得するものを買って、他メーカーのシューズを履く事を選ぶのか
という、選手に適切な情報を届けたうえで選択できる事が大事なのかなと思います。
ただ、直近すぐに改善する事は難しいと思うので、例えば
「契約メーカー以外のシューズを履く場合は、他社の製品とわからないように、ロゴ等を黒く塗りつぶして履く」
のを義務として盛り込むといったように、着用義務内容を緩和できるような内容になれば、選手としても、チームとしても、メーカーとしてもより良い関係が築けそうです。
ちなみに余談になりますが、チーム(監督)等が自主的に選手に縛りを設けている事例※1を度々耳にします。
これに関しては全くもって理にかなっていないので、選手の健康とパフォーマンス、チームの成績を考えるのならすぐに廃止した方が良いです。
チームでやるべきことは正しいシューズの選び方を学ぶ機会を設けること※2であり、自ら縛りを設けることではないと思います。
(※1 例えば黒いスパイクじゃないとダメ、とか、このポジションの選手は取替式のスパイクじゃないとダメ、とか、酷いのだとスパイクが単品で指定されている場合も聞き及んでいます)
(※2 機会があれば僕自身が出向く事も可能なように調整していきたいですね)
コメント
たしかにご指摘の通りだと思います。うちの息子は大学附属高校でプレーしてるのですが
大学が契約してるメーカーのスパイクが昔から全く合わないんですよ。皮がズル剥けするレベルで。ブラックアウトを許容するのは良い考えだと思います。
>>1
ありがとうございます☺️
選手を絶対に優先しろとまでは言いませんが、もう少し選択できる幅があると、皆がもう少し幸せになる気がしてます(笑)
ブラックアウトはすぐに出来ると思うので、是非進むと良いですね?
うちの息子の学校(例年Jリーガー輩出校)は年に数回メーカーさんが新作の試し蹴り会に来てくれるそうです。
そのときに5.6種類モデル違いとかソール違いを試させてもらって「足に合えば」希望者は購入の流れになってるそうです。※強制ではなくて、あくまで希望者のみ。
地方のため近くに専門店もなく選手もネットでのサイズ選びで失敗するケースが多いため非常に助かっているようです。また自然とチーム内でもシェアが高まってるそうです。
息子も毎回楽しみにしてるようですし選手もメーカーもwin-winでいい関係ですね。
>>3
ご共有ありがとうございます!
この関係性は素晴らしいですね!、メーカーとしては大変だと思いますが笑
特に仰られている通り、地方で試し履き出来ない問題は結構切実なのを実感していますので、こういう活動は良いですね?